わが子が生まれてから早3か月。この記事では3か月の赤ちゃんの成長や発達の目安、生活リズム、授乳や睡眠、気になるお世話のポイント、よくある悩みへの対処法まで、初めての育児を安心して楽しむために知っておきたい情報をまとめてみました。
1. 3か月の赤ちゃんの発育と身体的成長の目安
1.1 身長・体重の平均と目安
3か月の赤ちゃんは個人差がありますが、発育曲線にのっとった成長をしているかを確認することが大切です。 下記の表は、国内で広く利用されている母子健康手帳のデータをもとにした、3か月の赤ちゃんの身長と体重の平均値です(男女別)。
性別 | 身長の目安(cm) | 体重の目安(kg) |
---|---|---|
男の子 | 57.6〜65.3 | 5.0〜8.0 |
女の子 | 56.0〜63.7 | 4.8〜7.5 |
個々の発育には幅がありますが、短期間で極端な変化があった場合や、平均から大きく外れる場合には小児科医に相談することが推奨されます。
1.2 頭囲・胸囲の変化について
3か月の赤ちゃんは、頭囲や胸囲も健やかな発育の指標です。頭囲は33〜43cm、胸囲は31〜42cm程度が日本の乳幼児健康診査でよく使われる目安です。
月齢 | 頭囲の目安(cm) | 胸囲の目安(cm) |
---|---|---|
生後3か月 | 33〜43 | 31〜42 |
生後間もなくは頭囲のほうが胸囲より大きいですが、3か月頃から徐々に胸囲が頭囲と同じぐらいになることが一般的です。急激な増加や減少、非対称なふくらみが見られる場合には念のため医療機関で診てもらいましょう。
1.3 首すわりの進み方
3か月の赤ちゃんは、「首すわり」が少しずつ進む時期です。多くの赤ちゃんが3か月後半〜4か月頃から、うつぶせにすると少し頭を持ち上げることができるようになります。手で支えると、首が斜め上を向く、抱っこした際にぐらつきが減る、などの変化が観察されます。
ただし、首が完全にすわるには平均して4か月ごろまでかかることが多いため、焦らず、赤ちゃんのペースに合わせて見守ることが大切です。首を支えてあげることを忘れず、目安として「うつぶせで10秒ほど頭を持ち上げる」ことができれば順調です。
少しでも不安な点があった場合は、3か月健診などで相談してみると安心です。
2. 3か月の赤ちゃんの生活リズムと睡眠
生後3か月の赤ちゃんは、新生児期に比べて徐々に昼と夜の区別がつき始め、リズムのある生活へと移行しつつあります。この時期は赤ちゃんがより安定した睡眠や授乳のリズムを身につけるための大切な時期です。ここでは、3か月赤ちゃんの日常の過ごし方や睡眠の周期、授乳・おむつ替えのタイミングについて詳しく解説します。
2.1 1日の過ごし方について
生後3か月の赤ちゃんは、まだ長い時間を寝て過ごしますが、起きている時間がこれまでより長くなり、昼夜の区別もつき始めています。昼間はお昼寝と授乳、短い遊びの時間を挟みながら過ごし、夜にはややまとまった睡眠がとれるようになります。1日の主な生活リズムイメージは次のとおりです。
時間帯 | 主な活動 |
---|---|
6:00~8:00 | 起床・授乳・おむつ替え |
8:00~10:00 | お昼寝・遊び |
10:00~12:00 | 授乳・おむつ替え・遊び |
12:00~14:00 | お昼寝・授乳 |
14:00~18:00 | 授乳・遊び・おむつ替え・お昼寝 |
18:00~20:00 | 授乳・お風呂・就寝準備 |
20:00~翌6:00 | 夜間の睡眠(授乳で目覚めることも) |
もちろん赤ちゃんによって生活リズムには個人差があるため、目安として考えてください。
無理にスケジュール通りに合わせるのではなく、赤ちゃんの様子を見ながら調整しましょう。
2.2 授乳・ミルクの回数や量の目安
3か月の赤ちゃんの授乳やミルクは、1日に5~8回ほど、1回につき120~160ml程度が目安です。母乳の場合は赤ちゃんが飲みたいときに与える「欲しがったら与える授乳」が推奨されますが、ミルクの場合も成長や飲む量に応じて調整します。
回数(目安) | 1回の量(ミルクの場合) | 補足 |
---|---|---|
5~8回 | 120~160ml | 母乳なら時間や量は個人差大 |
母乳でもミルクでも、赤ちゃんの体重増加や機嫌が良いかどうかをチェックすることが大切です。
頻繁な夜間授乳に疲れてしまうこともありますが、今は赤ちゃんの成長を優先して対応しましょう。
2.3 おむつ替えや排泄のタイミング
3か月の赤ちゃんは排泄の回数がやや落ち着き始めるものの、1日に5~8回程度のおしっこ、うんちは1~3回程度が平均です。 おむつ替えの目安は以下の通りです。
排泄の種類 | 1日の平均回数 | おむつ替えのポイント |
---|---|---|
おしっこ | 5~8回 | 授乳の前後や寝起きなど、肌あれ防止のためこまめに交換 |
うんち | 1~3回 | 便の色や形状に注意し、異常がなければ問題なし |
うんちやおしっこの回数や様子に大きな変化がある場合は、小児科医に相談しましょう。 おしっこやうんちがおむつに長時間残っていると肌トラブルの原因となるため、できるだけ早めのおむつ替えを心がけましょう。
3か月の赤ちゃんは、生活リズムを整えるサポートをすることで、次第に夜によく眠り、昼間に起きて過ごせる身体をつくっていきます。起きる時間や寝かしつけのタイミングなど、家族の生活スタイルも無理のない範囲で揃えていくことが大切です。
3. 3か月の赤ちゃんの発達とできること
3.1 視覚や聴覚の発達
生後3か月の赤ちゃんは、視覚や聴覚の発達が大きく進みます。 目がしっかりと物を追うようになり、視線を合わせてくれることも増えてきます。
主に20〜30cmほどの距離にあるものをよく見つめ、動くものやカラフルなおもちゃにも興味を示すようになります。 また、パパやママの声や生活音に反応しやすくなり、「話しかけると笑顔を見せる」「音のする方に顔を向ける」といった行動が見られることも多くなります。
発達する感覚 | 主な変化 |
---|---|
視覚 | 顔や物を目で追う、コントラストの強い色に反応 |
聴覚 | 音の方向を認識し、声や音に興味を示す |
3.2 表情や笑顔、声を出すようになる
3か月の赤ちゃんは「社会的微笑」と呼ばれる、明確な感情表現が目立つようになります。 人の顔や笑いかけに対して自発的に微笑み返し、嬉しい・楽しいといった感情が表情で伝わるようになります。 また、「アー」「ウー」などの喃語(なんご)と呼ばれる声がけも多くなり、家族とコミュニケーションを取ろうとします。 泣き声も、生理的欲求によるものだけではなく、甘えたい・構ってほしい時のアピールとしてバリエーションが増えてきます。
できるようになること | 具体例 |
---|---|
社会的微笑 | 人の顔を見て笑う・アイコンタクト |
声を出す | 「アー」「ウー」などの喃語で反応する |
3.3 手足の動きや遊びの変化
赤ちゃんの手足の動きは滑らかになり、自分の意思で体を動かそうとする姿が見られます。 手を眺めたり、軽く握ったり開いたりすることが増え、指しゃぶりを始める子もいます。
また、ガラガラやラトルなど軽くて握りやすいおもちゃを渡すと、力強く持とうとするようになります。足の動きも活発になり、バタバタと蹴る動きで全身の筋力発達が促されます。
動き | 発達の特徴 |
---|---|
手の動き | 自分の手を見て遊ぶ、おもちゃを握る・舐める、指しゃぶり |
足の動き | バタバタ蹴る、反射的な動きから積極的な運動へ |
3か月は赤ちゃんが五感をどんどん発達させ、「自分と周囲」を認識する大切な時期です。 それぞれの赤ちゃんの個性や成長のペースを大切にしながら、見守っていきましょう。
4. 3か月の赤ちゃんとスキンシップ・遊びのアイデア
4.1 おすすめの遊び方とおもちゃ
3か月の赤ちゃんは、感覚の発達が進み、少しずつ親子での遊びやスキンシップの時間が楽しめるようになります。この時期におすすめの遊びやおもちゃについて、種類別にまとめました。
遊び・おもちゃ | ねらい・ポイント | 注意点 |
---|---|---|
ガラガラ・ラトル | 周囲の音への反応や手を伸ばす動作を促します。手に持たせて遊ばせたり、赤ちゃんの近くで音を鳴らしてあげると興味を示します。 | 小さすぎるパーツがないものを選び、誤飲に注意しましょう。 |
やわらかい布絵本 | カラフルな色彩や触った感触を楽しめます。視覚や触覚の発達を促す効果があります。 | タグや紐の部分が赤ちゃんの口に入らないように配慮しましょう。 |
モビール | ベビーベッドの上や目線の先に吊るしておくことで、視線を追う力や集中力の発達をサポートします。 | 赤ちゃんの手が届かない位置に設置し、安全に留意することが大切です。 |
歌やリズム遊び | 「ぞうさん」「いぬのおまわりさん」など日本で親しまれる童謡を歌いながら、手拍子や体を軽く揺らしてリズムを感じさせましょう。 | 赤ちゃんが不快そうなときは無理に続けず、気持ちに寄り添ってあげること。 |
遊びは「できること」を無理に増やすためではなく、親子の関係や安心感を育むものです。赤ちゃんと目を合わせたり、声や表情で反応してあげましょう。
4.2 語りかけや赤ちゃんとのコミュニケーション
3か月の赤ちゃんは、パパやママの顔や声を徐々に認識し始め、表情や声への反応も豊かになってきます。この時期の語りかけやコミュニケーションでは、次のポイントを意識しましょう。
- 赤ちゃんの顔を見ながら、やさしく声をかけたり微笑みかける
- 赤ちゃんの「あー」「うー」といった発声に対して、同じように返して応じてあげる
- 生活の中で「おむつ替えるね」「ミルクだよ」など、何をするかを丁寧に説明する
- 泣きやぐずりの際も落ち着いたトーンで抱っこしたり、背中をなでて安心させる
3か月の赤ちゃんとのスキンシップや語りかけは、情緒の安定や社会性・言葉の発達につながります。赤ちゃんのサインを受け止め、短い時間でも毎日積み重ねることが大切です。
無理に成長を急がず、お子さんのペースを大切にしながら、たくさん愛情を伝えてあげましょう。
5. 3か月の赤ちゃんのよくある悩みと対処法
5.1 夜泣きや寝ぐずりについて
3か月の赤ちゃんは、昼夜の区別がまだ完全ではなく、夜泣きや寝ぐずりが続くことがあります。これは発達段階でよく見られる現象であり、リズムが整うまでには個人差があります。赤ちゃんが眠れない原因としては、お腹の空き、オムツの不快感、室温、光や音の刺激などが挙げられます。
夜泣きが続く際には、静かな環境を整え、同じ時間に寝かしつけることで生活リズムを安定させましょう。寝る前の抱っこや子守唄、スワドル(おくるみ)も落ち着かせるのに役立つことがあります。急な高熱や呼吸異常など、明らかに様子がおかしい場合は、医療機関に相談してください。
5.2 母乳やミルクの飲みが悪い場合
3か月頃になると、一回の授乳量が増えたり、興味が他に向きやすくなったりして、急に母乳やミルクの飲みが悪くなることがあります。しかし、体重が順調に増えており、普段と変わらず機嫌が良い場合は、無理に飲ませようとせず赤ちゃんのペースを見守ることが大切です。鼻づまり、乳頭混乱、お腹の張りなど飲みにくい要因がないか確認しましょう。
また、授乳の環境を静かにする、授乳姿勢や哺乳瓶の乳首のサイズを見直すなども効果があります。授乳間隔が大きく空く、体重が増えない、元気がないといった場合は、かかりつけの小児科や助産師に相談してください。
5.3 うんちや便秘・下痢の心配
生後3か月の赤ちゃんは腸の発達途上で、便秘や便がゆるい状態(下痢)が起きやすい時期です。便秘の場合は、3日以上うんちが出ない、お腹が張って苦しそう、吐き戻しが多いなどが目安となります。母乳やミルクをしっかり飲んでいるか、運動不足や環境の変化がないか確認しましょう。
対処法としては、お腹を「の」の字マッサージしたり、綿棒浣腸を行うなどの方法がありますが、重度の場合や血便、嘔吐を伴う際には早めに小児科を受診してください。
下痢が続く場合は、脱水症状にならないよう注意が必要です。おむつ替えのたびにお尻を清潔に保ち、炎症予防を心がけ、発熱や嘔吐を伴う場合も、早期に医療機関へ相談しましょう。
5.4 体の異変や病気・発熱時の対応
3か月頃は免疫力が低下しやすく、感染症や風邪などに注意が必要です。発熱(38度以上)やぐったりしている、授乳量が極端に減る、下痢や嘔吐が続く、皮膚に発疹やひきつけが見られる場合は、すぐに小児科に連絡しましょう。
自宅での対処では、室温を適切にし、衣類で体温調整を行いましょう。水分補給ができているかも大切なポイントです。
以下の表は、3か月の赤ちゃんに見られるよくある症状とその対応目安をまとめたものです。
症状 | 家庭での対処 | 受診の目安 |
---|---|---|
発熱(38度以上) | 衣類で体温調整・水分補給 | ぐったり・授乳不可・発疹等があればすぐ受診 |
下痢・嘔吐 | こまめな水分補給・おむつかぶれ防止 | 脱水症・血便・発熱を伴う場合は受診 |
便秘 | マッサージ・綿棒浣腸・十分な授乳 | 苦しそう・吐き戻し・血便時は受診 |
肌トラブル(湿疹・乳児湿疹) | こまめな保湿・清潔保持 | ジュクジュク・かゆみ・全身に広がる場合は受診 |
赤ちゃんの変化や異常を早期にキャッチし、適切に対応することで、大きなトラブルを未然に防ぎましょう。保護者の不安がある場合は、迷わずかかりつけ小児科や自治体の育児相談窓口を活用しましょう。
6. 3か月健診でチェックされるポイント
6.1 健康診断でのポイントと準備
3か月健診は、赤ちゃんの健やかな成長や発達を総合的に確認する大切な節目です。医師や保健師が次のような項目を細かくチェックします。
チェック項目 | 内容の詳細 |
---|---|
身体計測 | 身長・体重・頭囲・胸囲を測定し、成長曲線と照らし合わせて発育状況を把握します。 |
運動機能の発達 | 首すわりの進み具合や、手足の動き・姿勢の変化を観察し、運動発達の目安と比較します。 |
感覚器の確認 | 聴覚や視覚の反応(音や光、おもちゃへの関心)、目の動きなどをチェックします。 |
先天性疾患のフォローアップ | 新生児期検査結果の再確認や、異常がないか全身を診察します。 |
皮膚・全身状態 | 湿疹や乳児湿疹、アトピー性皮膚炎の有無、全身の健康状態を評価します。 |
栄養状態 | 母乳やミルクの飲み具合、体重増加の推移など、栄養状況を確認します。 |
排泄状況 | おむつの中身や便の状態、回数について聞き取り、消化器の問題や便秘・下痢がないか判断します。 |
育児・発達相談 | 日々の困りごとや発育に関する質問にも応じて、保護者の不安を軽減します。 |
健診当日は、母子健康手帳、健診票、普段使っている哺乳びんやおむつ、赤ちゃんの服の替えなどを持参しましょう。事前に気になることをメモしておくと、相談や質問がスムーズにできます。
6.2 予防接種のスケジュール
3か月は、予防接種の接種開始や追加接種のタイミングが重なる時期でもあります。医師から以下のワクチンについて説明や案内があるのが一般的です。
予防接種の種類 | ワクチンの内容 | 接種タイミング |
---|---|---|
ヒブ(インフルエンザ菌b型) | 細菌性髄膜炎などの感染症予防 | 生後2か月から開始し、定期的に複数回接種 |
小児用肺炎球菌 | 肺炎や中耳炎などの感染症予防 | 生後2か月から開始し、定期的に複数回接種 |
B型肝炎 | B型肝炎ウイルスによる感染症予防 | 生後2か月から3回接種(自治体により時期が異なる場合あり) |
ロタウイルス | 乳幼児の重症胃腸炎予防 | 生後2か月から飲むワクチンで2回または3回(製剤により異なる) |
DPT-IPV(四種混合) | ジフテリア・百日せき・破傷風・ポリオの混合ワクチン | 生後3か月から開始、1期初回を計3回接種 |
お住まいの自治体によってスケジュールや接種回数、受け方が異なる場合があります。当日は母子健康手帳と予防接種の記録がわかるものを忘れずに持参しましょう。健診時には接種歴の確認と今後のスケジュールの説明があるため、不明点は遠慮せず相談してください。
8. まとめ
3か月がたち、うちの子もやれることが増えてきました。首がしっかりしてきたり、笑いかけると笑顔になったり、いろんなものをつかめるようになりました。
体重については、成長曲線外れるギリギリのところなので少し心配です。(お医者さんには問題ないとは言われました)
睡眠は、夜まとまって寝てくれるようになりました。そのかわりかお昼寝は全然してくれません・・・
3か月の赤ちゃんは心身ともに大きく成長し始める時期です。発育や生活リズム、発達状態は個人差があるため、平均値や一般的な目安を参考にしつつ、赤ちゃん一人ひとりのペースを大切にしましょう。